技術士 第一次の合格率は?合格者の平均年齢は?といった技術士 第一次試験の統計情報について調べてみました。
目次
合格率
先日は第二次試験の合格率などについて調べてみました。今回は第一次試験についての合格率について調べてみました。
第二次試験の方でも書きましたが、まずは合格率と世間的な難易度についてです。(あくまで個人的な見解)
日本技術士会から試験の統計情報から調べてみました。
平成28年度の技術士 第一次試験の受験者数は約2万2千人、そのうち合格者は8,600人となっています。
全部門合計での合格率は38.4%となっています。
難易度と合格率は一括りにして見ることはできませんが、世間的な評価はおおむね次のとおりでしょう。
合格率 | 世間的な難易度 |
---|---|
10%以下 | かなりの難関資格 |
10% 〜 30% | 程よい合格率 |
30% 〜 50% | 合格率が高い試験 |
50% 以上 | 検定試験、講習試験など |
技術士 第一次試験は合格率が30%以上ありますので、資格試験としては合格率の高い試験に分類されるでしょう。
ただし試験の知名度、受験者と合格者の年齢から受験者は専門的な職業に就いている、または研究を行っている、という見方もできますので、ひとえに難易度が低い、というわけではないです。
続いてここ数年間の合格率の推移を見てみます。
年度 | 申込者数 | 合格者数 | 合格率(申し込み者比) | |
---|---|---|---|---|
平成28年度 | 22,371人 | 8,600人 | 38.4% | |
平成27年度 | 21,780人 | 8,693人 | 39.9% | |
平成26年度 | 21,514人 | 9,851人 | 45.8% | |
平成25年度 | 19,317人 | 5,547人 | 28.7% | |
平成24年度 | 22,178人 | 10,882人 | 49.1% | 過去数年のうち最も高い |
平成23年度 | 22,745人 | 3,812人 | 16.8% | 過去数年のうち最も低い |
平成22年度 | 27,297人 | 8,017人 | 29.4% | |
平成21年度 | 29,874人 | 9,998人 | 33.5% | |
平成20年度 | 29,398人 | 8,383人 | 28.5% | |
平成19年度 | 34,150人 | 14,849人 | 43.5% | |
平成18年度 | 40,689人 | 9,707人 | 23.9% | |
平成17年度 | 44,511人 | 10,063人 | 22.6% |
ここ数年、合格率は30%〜40%前後となっています。第一次試験と比べると大きく変動していることがわかりますね。
ここ数年の合格率を見てみると平成23年度の16.8%はかなり低い数字です。
そして次の平成24年度の49.1%はかなり高い数字となっていますね。
技術士だけではありませんが一般的に「年度別の難易度のバラつき」によって合格率が変動することがあります。
いわゆる「当たり年」「ハズレ年」といわれるものですね。
宅建士(宅地建物取引士)試験などでは合格ラインは合格発表時に、情報処理技術者試験などでは事前に決められていますね。
技術士試験は第一次、第二次ともに合格基準が正答率50%と決められていますので、問題の難易度によって是正や得点調整、合格ラインの後設定といったことがありません。そのため年度ごとの合格率に差が出ていると思われます。
また真実のほどはわかりませんが、問題作成者が「あれっ、今年の試験は難しすぎたかなぁ」ということで、次の年度の問題を比較的簡単にする、といったことも聞かれます。ただしこちらは難しい年度の次の年度が例年通りの難易度になったことで、前年度の合格相当実力者が次年度に繰り越して合格した、という考え方もできます。
平成24年度、平成25年度は合格率が大きく変動しました。技術士試験は平成25年度から改正が入り出題傾向などにも変更がありましたのでその影響と見られています。
最終学歴
合格者の最終学歴別の合格率について調べてみました。
最終学歴 | 申込者数 | 合格者数 | 合格率(申込者数比) |
---|---|---|---|
大学院 | 5,462人 | 2,969人 | 54.4% |
大学 | 8,931人 | 2,999人 | 33.6% |
高専学校 | 1,135人 | 401人 | 35.3% |
短大 | 391人 | 97人 | 24.8% |
その他 | 3,763人 | 798人 | 21.2% |
在学中 | 2,689人 | 1,336人 | 49.7% |
※平成28年度 第一次試験
最終学歴と合格率には大きく違いがありますね。
興味深い点としては最終学歴が大学院の受験者の合格率が最も高いですが、次いで「在学中」の合格率が高くなっています。
「在学中」が大学(院)生なのか、高校生なのかという情報はありませんが、多くは大学(院)生だと推測されます。
第一次試験には理系大学の必須科目と多くが重なる「基礎科目」がありますので、在学中の受験生の方が「卒業して忘れてしまった」ということが無いために有利だ、といえるかもしれませんね。
第一次試験では受験資格がありませんので、早いうちに受験・合格しておいたほうが良といえるでしょう。
まとめ
以上が技術士第一次試験の合格率などの統計情報についてでした。
技術士 第一次試験の合格率は比較的高い数字でそこそこ安定して推移しているように見えます。また統計的には学校教育を終えての受験は難しい、といったようです。
年齢的に早めに受験して、大学で習う基礎科目を突破できるようにしたいですね。